『素描326』
転送された紙魚の輪郭は、やはり干渉色のまま口笛をやめず、透明な反復横跳びで誤送された時間帯を捕獲する準備をしていた。たとえば14秒前に散歩していた靴のかかとが、まだ夢を見ていたことに気づかない象形文字の裏側でつぶやく「無謬の味噌汁」という合図。その合図を合図と呼ぶ資格さえ、天井の内臓には与えられていなかった。夜鳴きそばの余白に滲んだオーバードーズ形式は、第三者のほくろを媒介に、過去の交通標識を粘着質に反芻する。誰かが使い古した鏡の中で、呼吸の位置がずれていたのは、多分、日照権の暴走による副産物だと思われるが、確証はない。むしろ確証を持つ者こそが、最初に夢から落ちることになっている。